パ・リーグ インサイト

1試合平均約3.5万人。なぜヤフオクドームにこれだけの人が集まるのか

「パ・リーグ インサイト」編集部

親子ヒーロープロジェクト(1)

両日ともに30度を超える暑さを記録し、真夏日となった8月26日と27日。翌日の28日から2学期開始の福岡県福岡市にとっては最後の土日となるこの2日間。ヤフオクドームでは、6球団の横断型プロジェクト「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」が開催され、いずれも3万8585人が来場した。

今年の「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」はコロコロコミックとのタイアップでイベントが行われ、すでに今回の福岡ソフトバンクホークスと9月の東北楽天ゴールデンイーグルス以外の4球団が終了。第5弾となるこの2日間は「100%パスカル先生」と「でんぢゃらすじーさん」が登場し、試合前に特設ステージで子供たちと写真撮影を行い、グラウンドのオープニングセレモニーにも参加。試合中には、5回裏終了時のウーハーダンス、7回裏攻撃前のラッキー7にも姿を現し、大人気キャラクター・ふうさんなどとともに場内を盛り上げた。

この「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」に限らず、夏休み期間中は多くの子供たちを中心に大賑わいを見せたヤフオクドーム。5月のタカガールデー開催時には8割近い女性ファンがスタンドを埋めるなど、幅広い層に支持されており、今季の1試合平均での入場者数は約3万5000人と、パ・リーグトップの数字を誇っている。

では、なぜ福岡ソフトバンクホークスが幅広い層に支持され、毎試合約3万5000人がヤフオクドームを訪れるのか。もちろん、チームが勝利することが集客に大きな影響を与えるということは言うまでもないが、それ以外の要素としては、足を運ぶきっかけを与えることや、来場者の満足度を高めるためにイベントを充実させることが重要な意味を持つ。そこで、福岡ソフトバンクホークスがどのような考えを持ち、どのような目的でイベントを実施しているか。その魅力を探るべく、事業統括本部 マーケティング本部 営業戦略部 戦略企画課課長・若山鉄兵氏にお話を伺った。

-まず、今回のパ・リーグ親子ヒーロープロジェクトでのお子様の様子などを見たご感想はいかがでしょうか。

(若山氏)イベントに参加している様子などから、喜んでもらえているなと感じました。やはりお子様はよっぽどのことがないと、自分から野球を観に来たいと思わないでしょうし、仮に観に来たとしても3時間、3時間半の試合をずっと観ているのは難しいケースも多いですよね。だからこそ、もう一つ別の要素が何かないと実際に球場に足を運んでもらうのは難しいと思っていて、今回のようにベイブレードの勝ち抜きバトルや、ゲートでのコラボグッズ配布などで喜んでいる姿を見たりすると、ちょっとしたきっかけにはできたのかなと。あと、これは聞いた話ですが、おじいちゃんが孫を誘う口実にしたとか、サイン会の為に朝7時に起きてきましたというお子様がいらっしゃったりしたとのことで、ある一定層へのきっかけ作りという働きは果たせたのかなと思っています。

-別の要素という点で言うと、今回のイベントでホークスカラーのTシャツや、タオル、熱いぜマツダくん!とのコラボグッズなど、コロコロコミック関連のグッズが多く、そのほかのグッズを見ても、種類が豊富なイメージがあります。これも意識されていることなのでしょうか。

(若山氏)イベントをやるときに何か配布するとか、何かを体験してもらうというようなものだけで終わりたくないなと思っていて、飲食やグッズなども含めた色々な方向から満足していただけるようにしたいと常々思っています。考え方として、社内の色々な部署から出たアイデアを無駄にはせず、できる範囲のことはチャレンジしてみようという考えが大きいですね。必ずしも全て成功するわけではないですが、トライする姿勢が重要なことだと思っていますので。

-集客力という点に話を移します。これだけのお客様を集める要因として、鷹の祭典をはじめとするイベントの充実が考えられますが、福岡ソフトバンクホークスのイベントの強みはどこにあるとお考えですか。

(若山氏)鷹の祭典はホークスという球団のブランドを左右する非常に大きな要素であるという認識は携わる人間の皆が持っています。僕らはイベントチームなのでイベントという観点で見ていますが、グッズチームも飲食も運営的なところも、全ての部署が一つになって取り組んでいて、毎年何かしらの新しい要素を追加して強化しています。そこは強みの一つだと思いますし、お客様には変化も含めて楽しんでいただけていると思います。

-充実したイベントという点では5月に行われたタカガールデーもそうですが、シーズン通して飽きさせないための様々なイベントが組まれていますよね。

(若山氏)春には「どんたく博多デー」というイベントをやっています。博多をテーマにしてどんたくと連携して博多ならではのイベントをやっているのですが、これはもっともっと育てていきたいなと思っているイベントです。その他にも5月の女性向けのタカガールデーや、夏休みの家族、子ども向けのイベントなど、最適な日程で実施することを心掛けています。今も様々なイベントを開催していますが、来年やろうかと考えているイベントとしてアイデアレベルでは本当にたくさんの収まりきらないくらいの案があります。このアイデアを精査していき、来年のイベントとしてお客様に楽しんでいただけるようになればと思います。

-最後に、今回のパ・リーグ親子ヒーロープロジェクトで初めて球場に足を運び、興味を持たれた方へのメッセージをお願いいたします。

(若山氏)今回が野球を観戦するきっかけになり、生で見る野球の面白さは感じていただけたと思います。今後は観戦するのはもちろん、お父さんとキャッチボールをしたり、少年野球チームに入ったりするなど、ぜひ野球の楽しさをもっともっと味わってほしいなと思います。他にもたくさんのイベントを実施していきますので、また足を運んでいただければうれしいです。


若山氏によると、福岡ソフトバンクホークスの全ファンクラブ会員における女性の割合は40%を超えるという。つまり約半数が女性ファンで、ヤフオクドームの来場者も常に半数は占めているというから驚きだ。もちろん、最初から女性ファンが多かったというわけではなく、ファンを増やすためにコツコツと行ってきたイベントなどが実を結んだ結果と言えるだろう。

プロ野球の各球団やスポーツ界にとどまらず、どの業界においても女性客を獲得することこそが成功への近道であり、女性客は何としてでも呼び込みたい存在である。そういったことからも、“女性客が多い”ということが福岡ソフトバンクホークスの大きな強みであり、これだけの人がヤフオクドームに集まる理由の一つなのだろう。

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